昨年度の福山 05年以降最多 女児死亡で関心高まる 福山市が2010年度に虐待被害を確認した子どもの数は215人に上ったことが、市のまとめで分かった。統計を取り始めた05年度以降で最多だった09年度の122人の約1・8倍に相当する。10年8月末に起きた女児虐待死事件を受け、市民の警戒心が強まったことが影響したとみられる。 市によると、虐待の内訳は、身体的虐待が103件で全体の5割近くを占めた。保護の怠慢・放棄(ネグレクト)73件▽心理的虐待37件▽性的虐待2件―と続く。虐待を受けた子どもの年齢層別では、就学前から3歳まで73人▽小学生60人▽3歳未満53人▽中学生20人▽高校生9人―だった。 加害者は、実母165人▽実父35人▽実父以外の父6人▽実母以外の母1人▽その他8人。通報者は「近隣・知人」が最多の48件(09年度は18件)で、虐待防止に対する市民の関心の高まりがうかがえる。 市は虐待死事件の再発を防ぐため11年度、元県警職員と社会福祉士の2人を虐待防止支援員に採用。通報ダイヤルや児童虐待防止のシンボル「オレンジリボン」などを記した封筒を作り、4月から子ども手当や児童扶養手当などの書類送付に使っている。 市子育て支援課の橋本功子課長は「不幸な事件が二度と起きないよう、あらゆる機会に市民の意識向上を呼び掛けたい」と話している。(門脇正樹) (2011.5.23)
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