07年度被害 広島県まとめ 対策窓口強化へ 二〇〇七年度に広島県内で虐待を受けていることが確認された子どもの数が、前年度より七十二人増えて千五百八十人に上り、過去最多になったことが、県のまとめで分かった。県児童虐待防止・DV対策室は「地域にとけ込めず、育児に孤立した母親が子どもに手を出すケースが目立つ。SOSのサインを見逃さないよう、窓口の強化を図りたい」としている。 県によると、虐待を受けた子どもの年齢層別は、小学生が六百五人を占め、就学前―三歳が四百二十六人▽三歳未満が二百八十二人▽中学生が二百十一人▽高校生・その他が五十六人―だった。 虐待を内容別にみると、身体的虐待が最多の六百九十四人で、保護の怠慢・放棄が五百七十二人、心理的虐待が二百八十四人、性的虐待が三十人。加害者は実母が65・7%を占め、実父が22・7%、実父以外の父親が5・6%だった。 このうち、福山こども家庭センター管内で身体的虐待の疑いで幼児が死亡したケースが一件あった。全体の4・2%に当たる六十五人が、一時保護などで児童養護施設や里親に委ねられている。 県は本年度、臨床心理士やこども家庭センターOBをアドバイザーとして登録し、児童相談の窓口でもある市町や児童養護施設に派遣する取り組みをスタート。市町の職員らを対象に二十一日―九月十八日の計五回、心理学や虐待を受けた子どもの援助について大学教授ら識者を招いた講習会を開く。(門脇正樹) (2008.8.17)
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