中国新聞


虐待相談 最多の1508件
広島県内06年度


 近所・学校の察知増加

 広島県内の児童虐待の相談件数が二〇〇六年度、千五百件を超え過去最多だったことが十五日、県のまとめで分かった。虐待が深刻だった七十六人は、施設に入所した。全国的に児童虐待が深刻化する中、異常に気づいた近隣の住民や学校が相談するケースも増えている。(荒木紀貴)

グラフ「虐待相談件数」

 県によると、広島、福山、三次の三市にある県のこども家庭センターと、広島市児童相談所に寄せられた昨年度の相談件数は千五百八件。これまで過去最高だった二〇〇四年度の千三百五十件を上回った。内容は、身体的虐待が六百五十三件で最も多く、食事を与えないなどの養育放棄・怠慢が五百九十一件、無視や脅迫などの心理的虐待が二百三十件だった。

 相談の経路は、住民が相談しやすい市町からが三百三十三件で最多。近隣・知人が二百二十四件、学校が二百二十件で続き、前年度を八十六件、三十二件それぞれ上回った。

 こども家庭センターなどが受け付けた相談のうち、85%に当たる千二百八十一件は保護者や児童の面接指導で対応したが、三十六件は児童を一時保護した。最終的に七十六人は虐待が深刻で保護者との分離が必要だったため、児童養護施設に入所したという。

 昨年度は、福山市で母親が幼児二人を殺害する事件も起きた。県こども家庭支援室は「最悪の事態を防ぐには早めの対応が欠かせない。子どもの悲鳴を聞くなど虐待の恐れを感じたら、市町や児童相談所に連絡してほしい」と呼び掛けている。

(2007.6.16)


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