通報の手引配布
福山市が4〜9月、受け付けた児童虐待相談が119件に上ったことが6日、分かった。本年度上半期だけで、過去最多だった前年度の122件に迫る勢い。市内で8月に体にあざのある女児(2)が死亡した事件を踏まえ、市は通報の手引6万7千部の配布を始めた。 市によると、前年度上半期の75件より約6割増えた。大阪の2幼児遺棄事件と福山女児死亡事件の報道が集中した夏場以降に相談が集中。8月は4・37倍の35件、9月は3・83倍の23件だった。 内容は「泣き声が異常」がほとんどを占める。母親の精神不安が原因だった9月下旬の1件については、同市瀬戸町の県東部こども家庭センターと連携して、子どもを一時保護所に預かる措置を講じたという。 市は両事件が児童虐待に対する市民の警戒心を強めたとみている。例年は市内の保育所や小中学校などを通じて5万5千世帯に配布していた小冊子「なくそう!子どもへの虐待」を急きょ1万2千部増刷。6日から全町内会役員や民生委員への配布を始めた。兆候に気づいた際の早期通報を要請。近所づきあいが薄く、地域で孤立している家庭への声掛けも併せて求めた。 市子育て支援課は「市民からの通報が、虐待を早期発見する第一歩だ。気になる家庭があったら、迷わず知らせてほしい」と呼び掛けている。(門脇正樹) (2010.10.7)
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