昨年度の三次・庄原両市 背景に地域からの相談増 虐待などを理由に、18歳未満の子どもを施設が短期間、家庭から預かる一時保護が、三次、庄原両市で増えている。両市を管轄する県北部こども家庭センター(三次市)によると、昨年度の一時保護は37件あった。うち、職権による保護は8件。いずれも過去最多だった。 センターによると、37件のうち、虐待理由が24件。内訳は身体的虐待が19件とほぼ8割を占め、育児放棄が3件、心理的虐待2件だった。 保護者や幼稚園・学校、地域などからの相談件数は132件と前年度比9件減だが、過去2番目の多さ。うち、虐待していたのは実母が81件と6割を超え、実父以外の父親26件、実父18件と続いた。 センターは「教育機関や医療機関、地域の目が行き届いた結果、相談件数が増えて保護につながった」と分析。「子どもの体に傷があった」「毎日同じ服を着ている」などの連絡が多いという。「大家族が減るなど家族形態が変わり、不況による収入減やストレスも重なり、子どもを育てにくい環境になっている」とみる。 国勢調査によると、2005年の核家族世帯数は三次市1万1525、庄原市7411。00年に比べ、三次市は49減だが2番目の多さで、庄原市は91増だった。1人親の世帯数も05年時点で、三次市1723、庄原市1090と、00年比でそれぞれ208、126増えている。 杉井昭雄所長は「子育てに不安を感じたり、周囲の子の変化を少しでも感じたりしたら、市やセンターにすぐに相談してほしい」と呼び掛けている。(山崎亮) (2010.5.8)
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