備後4市2町 昨年度確認 実母が加害者314人 備後地方4市2町で2009年度に虐待被害を確認された子どもの数が503人に上り、ワーストを更新した。身体的虐待が過半数を占め、県東部こども家庭センター(福山市瀬戸町)は「育児で孤立した母親が暴力を振るう事例が目立つ。地域を挙げた見守り活動の強化が欠かせない」としている。 センターによると、過去最多だった07年度の461人を42人上回った。年齢層別にみると、小学生167人▽就学前〜3歳154人▽3歳未満77人▽中学生76人▽高校生29人―の順だった。 内容は、身体的虐待が269件で、全体の約53%を占めた。保護の怠慢・放棄(ネグレクト)174件、心理的虐待37件、性的虐待23件―と続く。 加害者は実母が314人と最も多い。実父は125人、実父以外の父47人、実母以外の母10人、その他7人だった。 センター職員や民生委員、保健師の家庭訪問を拒むケースもあり、警察に援助要請した上での立ち入り調査は3件、子どもを親元から強制的に引き離す「職権保護」は12件あったという。 市町別の虐待を受けた子どもの数は、福山市351人▽尾道市72人▽三原市30人▽府中市17人▽世羅町14人▽神石高原町12人。他市町からの通報も7件あった。うち福山市は、広島市の451件に次いで広島県内で2番目に多かった。 備後地方の児童虐待件数は、児童虐待防止法が施行された00年が81件。国が小学校や保育所からの通報体制を強化した07年は前年の1・7倍に当たる461件に増えた。 00年以降、県内で09年度末までに虐待が原因で死亡した子どもは8人に上る。福山市では8月末、体にあざのある2歳の女児が死亡し、実母(21)と養父(20)が傷害致死の疑いで逮捕された。(門脇正樹)
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