中高生向け「シェルター」を 広島県内初の開設目指しNPO 虐待などで家庭に居場所を失った中高生を一時的に保護する「子どもシェルター」の開設に向け、県内の弁護士や児童福祉関係者が9月、NPO法人「ピピオ子どもセンター」を設立する。児童虐待が全国で深刻化しており、幼い子どもに比べ受け皿の少ない10代の保護・避難場所として県内初の開設を目指す。 子どもシェルターは現在、岡山など4都県で開設されている。弁護士会や福祉関係者が連携し、24時間体制の民間施設として運営する。 広島県では、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者向けのシェルターはあるが、子ども専用はなく、児童相談所の一時保護施設などで対応している。 しかし、一時保護施設は幼児や小学生を優先。中高生の場合、明らかな虐待が認められないとして受け入れていないのが実情という。虐待を受けながら行き場のない10代を保護しようと、広島弁護士会有志が児童福祉関係者らに呼び掛け、法人設立を準備してきた。 シェルターでは、県内の民家などを借り受け、児童福祉関係者が常駐。弁護士が被害を受けた子どもや保護者からの相談に応じていく。9月下旬にNPO法人の設立総会を予定している。 広島弁護士会子どもの権利委員会の那須寛弁護士は「司法と福祉が協力し、被害を受けている中高生をサポートする場にしたい」と話している。(和多正憲) (2010.8.15)
【関連記事】 |