昨年度 広島市児童相談所 「殴るける」6割 親から虐待を受けた児童について、広島市児童相談所(東区)が一時保護したケースが2009年度に42件56人に上り、過去最多となった。「身体的虐待」が措置理由の6割を占めており、県警が殺人未遂や傷害容疑で摘発に踏み切るケースも増えている。 児童福祉法に基づく一時保護は、虐待の通告を受けた児童相談所が安全確保などに緊急性があると判断した場合、親の同意なしに児童を保護できる措置。同相談所が集計を始めた06年度以降、最多だった07年度の28件33人を大きく上回った。 内訳は、殴るけるなどの「身体的虐待」が35人。食事を与えないなどの「育児放棄(ネグレクト)」が15人、「心理的虐待」が5人と続いた。育児ストレスによる母親の虐待が目立つという。 被害の深刻化に伴い、虐待した親が逮捕されるケースも増えている。県内の児童虐待事件の摘発は09年1年間で16件に上り、過去10年で過去最悪となった。 昨年10月には、2歳の長男に対する殺人未遂容疑で南区の母親が逮捕された事件も起きた。母親は不起訴処分となり、児相などが慎重に対応している。 児相は「虐待は家庭内で繰り返される傾向が強い」と指摘。一方で、再発防止には親子関係の修復が欠かせないとし、「関係機関との連携を強め、相談機能を充実していく」としている。 (2010.4.6)
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