新年度、まず安佐南区から 児相への集中を軽減 広島市は2012年度、安佐南区役所に児童虐待の対応窓口を新設する。市内の虐待の相談・通報件数は11年度、過去最多のペースで推移。市児童相談所(東区)への集中を軽減し、迅速な対応を図るのが狙いだ。市は同区で先行的に設置して運営上の課題を探り、13年度以降の全区役所への窓口設置につなげる方針でいる。 1日の市議会予算特別委員会で説明した。市によると、児童相談所が11年度に受けた相談・通報件数は1月末現在、639件。過去最多だった10年度(724件)を上回るペースとなっている。現在、児童福祉司22人が対応に当たる。 各区役所では家庭相談員や子育て支援専門員が虐待相談を受け付けているが、対応は児童相談所に引き継いでいる。このため市は区役所に新たに窓口を設けて専門の担当職員を配置し、対応の分散化を検討。担当職員は児童相談所と連携し、虐待が行われた可能性のある家庭への訪問や見守りなどをする。 安佐南区役所には4月から、保健福祉課に担当職員1人を置き、1年かけて効果や課題を検証する。8区のうち人口、相談・通報件数とも最多の同区を先行設置区に選んだ。 市こども未来企画課は「相談・通報件数の増加は虐待に対する市民の関心が高まっている証し。人員態勢を整え、未然防止や素早い対応につなげたい」としている。(胡子洋) (2012.3.2)
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