広島県内10年度 県、防止策を強化 広島県内の児童相談所が2010年度に受け付けた虐待相談件数は1987件(速報値)で、児童虐待防止法が施行された00年度以降で最多となった。10年度には県内で幼い子どもが犠牲になる事件が相次いで発生。県は「虐待への関心が高まったことが増加の一因」とみている。 これまで最多だった09年度(1633件)から21・7%増。00年度(404件)の4・9倍となった。10年度の相談件数のうち、県内3カ所にある県のこども家庭センターが計1273件(前年度比7・7%増)。広島市児童相談所は714件で、58・3%増と大幅に増えた。 相談内容の内訳は、身体的虐待が最多の1033件(25・4%増)に上った。育児放棄623件(14・7%増)▽暴言などの心理的虐待296件(37・0%増)▽性的虐待35件(30・0%減)―と続いた。 通報者別では隣人・知人の増加が目立つ。09年度から86・6%増の377件で、全体に占める割合は6・6ポイント増の19・0%となった。最多は市町の410件。相談対象の子どもの年代別では、就学前が938件と半数近くを占めた。 県内では昨年8月、福山市で体にあざのある2歳の女児が死亡。10月は広島市で4歳と1歳の姉弟が母親に絞殺され、12月にも同市の2歳女児が同居する男の暴行で死亡した。 県は11年度、虐待防止の取り組みを強化している。迅速な対応を目指し、こども家庭センターと弁護士、医師をつなぐ全国初のテレビ会議システムの運用を21日に開始する。児童虐待防止支援員については計11人増員した。(和田木健史) (2011.7.21)
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