中国新聞


虐待対応にテレビ会議
広島県、運用開始 児相と医師らつなぐ


   

photo
テレビ会議システムで模擬会議をする西部こども家庭センター職員

 広島県は21日、児童虐待に迅速に対応するため、県のこども家庭センター(児童相談所)と弁護士、医師をつなぐテレビ会議システムの運用を始めた。専門家の助言をいち早く受けて子どもを一時保護する判断を早め、虐待被害を食い止める。

 県内3カ所のこども家庭センターと県こども家庭課、嘱託弁護士、嘱託医に専用のノートパソコンを配備。インターネットでそれぞれを結び、写真や資料を共有して虐待の程度や子どもの一時保護の必要性などを協議する。弁護士と医師には出張時などにもパソコンを携帯してもらう。

 21日は、西部こども家庭センター(広島市南区)と県庁、弁護士事務所(中区)をつないだ模擬会議を開催。センターと県の職員、弁護士の3人が虐待の有効な証拠となる写真撮影の注意点などについて意見を交わした。

 虐待に特化したテレビ会議システムの運用は全国初の試み。昨年8月に福山市で浜先鈴美ちゃん=当時(2)=が虐待により死亡したとされる事件を受けて導入した。県はこのほか、児童虐待防止支援員を計11人増やすなど、虐待防止の取り組みを強化している。(和田木健史)

(2011.7.22)


【関連記事】
児童虐待相談、最多1987件 広島県内10年度 (2011.7.21)
児童虐待 最多の164人 東広島市、2010年度まとめ (2011.5.18)
虐待早期発見と予防強化 広島市東区 (2011.1.31)
児童虐待相談6割増 福山市上半期 通報の手引配布 (2010.10.7)
子ども虐待ワースト503人 備後4市2町 昨年度確認 (2010.9.12)
児童虐待など保護最多37件 昨年度の三次・庄原両市 (2010.5.8)
子ども虐待通告が増加 東広島市 上半期は58人 (2009.11.7)
後絶たぬ児童虐待死 早期発見・介入 一層の強化を (2009.5.31)
育児放棄や性的虐待増 広島県東部こども家庭センター (2009.5.22)
【社説】子どもの虐待防止 「地域の力」取り戻そう (2009.5.5)
虐待相談 24時間体制に 広島市 (2009.4.16)
児童虐待1580人で過去最多 07年度被害 (2008.8.17)



子育てのページTOPへ