保育所不足で待機児童増 共働き増加で幼保一体化の動きも
島根県内の109幼稚園が定員に対し4割弱の充足率にとどまっていることが10日、県教委の調査で分かった。一方で、保育所は不足し、待機児童が増えている。少子化や共働き世帯の増加などを受け、幼稚園の機能が地域社会のニーズに応じ切れていない実態が浮き彫りになった。 幼稚園のある県内10市町を対象に、初めて調査した。109カ所の定員は11月1日現在、1万2205人に対し、在園児は4801人。充足率は39・3%と、大幅な定員割れとなっている。 一方、県内の283保育所は、定員2万630人に対し、乳幼児2万2120人が在籍している。定員を7・2%超過し、待機児童208人が出ている。県教委は「帰宅時間が遅い共働き夫婦が増え、預かる時間が長い保育所を選択する傾向が強まっている」とみる。 こうした地域住民のニーズを踏まえ、松江市は2005年度、0〜2歳を保育所で、3〜5歳を幼稚園で預かる「幼保園」を田和山町に初めて開設した。ことし4月には、宍道町で幼稚園2カ所と保育所1カ所を統合し、「しんじ幼保園」を新設した。 奥出雲町教委も09年度以降、町内の2幼稚園を「幼児園」とし、最長午後7時まで預かり時間を延長している。町教委子育て支援室は「保育所の待機児童の解消につながっている」とする。 政府も「幼保一体化」の検討を進めており、13年度以降の本格導入を目指している。一体化した施設の運営主体は、市町村を想定している。(樋口浩二) (2011.12.11)
|