広島市内の保育園、10月現在 共働きが増加 市対応上回る 広島市で認可保育園の入園を待つ待機児童が10月1日現在で732人に上り、現在の基準で調査を取り始めた2003年以降で最多になった。不況で共働き世帯が増えていることが大きな要因だ。市は定員の増加策などを進めているが、対応が追い付いていない。 10月の待機児童数は4月の220人に比べ3倍以上に急増した。区別では安佐南区が201人と最も多く、佐伯区136人、西区133人と続く。市の見通しでは、来春の卒園時にいったんは少なくなるが、年度途中で増加に転じ、過去最多を更新しそうだ。 浜田祐二保育施策推進担当課長は「市の当初見込み以上に、経済的事情で働きに出る母親が増えている」と話す。待機児童の解消策として市は、私立保育園の園舎増築や新設などに建設補助金を支給。本年度は総定員を約930人増やした。 しかし、当初の対応だけでは追い付かないほど入園希望が急増した。市は年度途中に急きょ、保育園を新設する民間事業者を募集した。建設補助金は出せない条件だったものの、これにより来年度中に3園が新たに開園する予定となり、約240人の定員増が図れる見通しである。 来年度以降は、廃園予定の市立幼稚園を保育園に転用することや小中学校の空き教室を一時的な子どもの預かり施設に活用することも想定する。ただ、市は「共働き世帯の増加や核家族化の進行で保育園の需要はさらに高まる」とみており、待機児童解消に向けたさらなる対策を検討する。(野田華奈子)
(2010.12.15)
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