広島市 最多の1028人 景気悪化影響 共働きが拡大 広島市内で、希望する保育園に入れない子どもが昨秋以降、増え続けている。3月1日現在、同期比では過去20年でも最多の1028人。景気悪化を受け、家計を支えようと、育児中の主婦が就職したり、求職したりしていることが原因とみられる。 入園希望者は、卒園で園児が入れ替わる四月が最も少なく、翌年三月に向け増える。市保育課によると、三月一日現在の入園希望者千二十八人は過去二十年でも最多で、前年同期比百六十一人増。昨年十一月以降、前年同期比で百人以上多い状態が続く。景気悪化と歩調を合わせ、増加幅が広がる格好だ。 共働き志向の広がりで、保育園の需要は年々高まっている。一九八九年に百四十三人だった三月一日時点の入園希望者は、九九年から八百人を超え続ける。市が私立園への補助金を手厚くし、新設や園舎増築で定員増に取り組んだ結果、入園希望者は二〇〇五年の九百九十人をピークに昨年までは減ってきた。 しかし今春は、市に申請された通園希望の児童数が、総定員の二万七百五人をすでに千三十七人オーバー。定員超過を特例で認める園があり最終的な数は未確定だが、四月になっても入園できない児童は昨年より増える見通しだ。 市保育課の古池誠治課長は「職場や駅に近い園、夜間延長保育をする園に希望が集中している。共働きを望む家庭が不況で増えているためだろう」と分析。「定員増には限界があるので、申請時に保護者の意向を十分に聞き、できる限り希望に沿う努力をするほかない」と話している。(石川昌義)
(2009.3.20)
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