広島市児相4〜9月 「身体的」が目立つ 広島市児童相談所(東区)に寄せられた虐待の相談・通報件数が本年度上半期(4〜9月)で380件に上り、前年度同期の約1・4倍になった。児童虐待防止法が施行された2000年度以降で最多となり、同相談所は「社会的な関心が高まり、潜在化していた虐待が表に出るようになったのでは」とみている。 内訳でみると、身体的虐待が190件▽面倒をみないなど育児放棄(ネグレクト)が115件▽心理的虐待が74件▽性的虐待が1件―となった。就学前の乳幼児についての相談・通報が全体の半数を占めた。 相談・通報の増加について、同相談所は「学校や地域で、虐待を防ごうとする早期連絡の意識が浸透してきたため」とみている。 同相談所は相談・通報を受けると、48時間以内に児童の安否確認に当たる。上半期の380件では、いずれも警察への通報には至らず、事件にはならなかった。 逆に通報・相談がないまま、いきなり虐待事件に発展するケースもある。今月4日には東区で2児が母親に絞殺される事件が発生。同相談所は「日常的な虐待ではないが、母親からの相談があれば防げたケースかもしれない」とする。 よりきめ細かなチェックを徹底するため、直接の安否確認が難しい世帯に対しては「電気メーターが動いているか」「洗濯物が干してあるか」などを定めたマニュアルも採用し、対応している。 同相談所は「少しでも子育てに悩んだり、異変を感じたりすれば連絡を取ってほしい」と呼び掛けている。同相談所Tel082(263)0694。(和多正憲) (2010.10.11)
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