「虐待疑い」 不明確なら医師に相談 広島市児童相談所(児相、東区)は20日、児童虐待の疑いで通告を受けた際の警察への通報基準を見直すことを決めた。2歳の長男を虐待した疑いで南区の母親(28)が県警に逮捕された事件で、児相が2年前にも医師から長男の虐待の疑いを通告されていたにもかかわらず警察に通報しなかった問題を受けた。見直しで、児童の安全確保に向けた取り組みを強化するとしている。 児相によると、長男は生後数カ月だった2年前にも骨折の大けがをし、診断した医師が虐待の疑いを児相に通告した。児相は、母親から具体的な聞き取りができず、「虐待を疑うべきかはっきりできない」ことから警察に通報しなかったとしている。 見直しで、虐待の疑いが明確でない場合は原則、法医学の専門医に相談することにした。医師が「虐待の疑いが高い」と判断すれば、警察に相談、通報することを決めた。 虐待か不明な場合でも、児童福祉司による指導を強化。強制力を持って家庭訪問などの継続指導・援助をし、親が訪問を拒否した場合は、児童の一時保護などの措置をとる。 児相によると、2008年度は330件の通告、相談があり、このうち虐待の疑いが判断しにくいケースは4件あった。磯辺省三所長は「対応が不十分だった今回の結果を重く受け止め、児童の安全確保に向けて厳しい姿勢で臨みたい」と話している。(鴻池尚) (2009.10.21)
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