尾道市教委、地元合意得られず 2013年4月を目標に尾道市立の原田中(全校生徒12人)を美木中(同195人)に統合する再編計画が見直しを迫られている。期日まで1年を切ったが、地元合意が得られていないからだ。市教委は「現実問題として、日程的に厳しい」という。 市教委によると、通常は統合までに1年間の期間が必要。新しい学校に生徒がなじめるよう両校で交流をしたり、記念誌の発行、記念式典の準備をしたりする時間が必要なためという。 しかし2月に保護者を中心に開いた地元説明会では統合の合意を得ることができなかった。幼稚園・小学校と隣接し一貫した教育環境にある利便性▽通学時の安全問題▽地域のシンボルとしての学校がなくなる不安―などが理由として挙がった。 事態改善のため、市教委は今月下旬、地域の意思決定を諮る原田地区社会福祉協議会に統合問題について初めての説明をする。その後、保護者との協議を再開する考えだが、日程調整はついていない。 市教委は昨年12月に31小学校を13に、18中学校を13にする市立小中学校の再編計画を発表した。今春、原田中への入学者は1947年の開校以来初めてゼロになった。市教委は「地元の理解を得られるよう協議を重ねていきたい」としている。(渡辺裕明) (2012.5.17)
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