三原市教委が計画 期限まで1年半
三原市立小学校を統廃合する三原市教委の適正配置実施計画が、期限まで残り1年半になった。2012年度中に16校を5校に統廃合する計画。3地区で保護者や地域住民たちによる準備協議会が設置され、統合に向けての話し合いが進められている一方、協議会設置の見通しすら立たない地区もある。ことしに入り、学校の存続を求める新たな動きも出ており、市教委には地域の実情を踏まえた対応が求められる。 「統合校の校舎は新築してほしい」「スクールバスの運行基準は柔軟にするべきだ」。5校を統合する大和町で8月31日、準備協議会の学校経営検討部会の会合があった。新設校の名称を「大和小」とする方針を決め、校章のデザインや校歌の歌詞を公募することも確認した。 ▽新設に前向き 神田、神田東、和木、大草、椹梨の各校を統合する。13年春の開校に向け、建設地を12年3月末に閉校する大和高跡地か大和中敷地内で検討している。神田小PTAの舛谷敏文会長は「地域から学校が無くなるのは寂しいが、新設校は各学校の伝統を引き継ぎ特色のある学校にしたい」と前向きだ。 市教委の計画は、複式学級の解消と教育環境の充実を目的に、大和町を含め5地区で統廃合を進める。沼田、高坂、小坂の沼北地区と久井、羽和泉、久井南、八幡の久井・八幡地区でも協議会が設置されている。一方、木原と糸崎、船木と北方が統合対象の両地区ではそれぞれ計画への反発があり協議会設置のめどは立っていない。 反対署名が集められた木原小では09年12月の市教委の説明会以来、協議の場は持たれていない。同小の元PTA会長の永井靖樹さん(48)は「市教委は『地元合意を得るまで統合はしない』と説明している。統合は無くなったと認識している」と言い切る。 ▽存続へ要望書 協議が進む沼北地区では6月、沼田小の保護者が学校存続を求める要望書を市教委に提出しており、状況に変化が出ている。計画が進まない地域について、市教委は「引き続き理解を求めていきたい」と繰り返す。しかし、遅れは大きく、スケジュールを含めた見直しも迫られそうだ。(鴻池尚、和泉恵太) (2011.10.4)
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