水道未整備で三原市教委、タンク車輸送も検討
三原市大和町の5小学校を統合し、来春開校予定の新設小のプール整備方針が決まっていない。2016年度以降に整備する計画だった市教委に対し、地元から「教育環境が悪くなる」として、早期設置を求める声が根強いからだ。背景には水源確保の問題が横たわる。 大和町では簡易水道が一部地域を除き整備されておらず、地下水を井戸でくみ上げて生活用水を確保している。開校先の大和高跡地のある大具地区も水源は地下水。同校にプールは無かった。 市は16年度中に簡易水道の整備を計画。市教委は、新設小では4年間は約3キロ離れた和木小のプールを利用し、簡易水道の整備に合わせてプールを造る予定だった。 しかし、統合対象の各小にプールがあることから、地元には整備を求める声が多い。児童の移動の負担を懸念する意見も強く、市教委は整備の前倒しの検討を始めた。 町内の和木浄水場からタンクローリーで水の運搬が可能かどうかなどを研究。必要な輸送回数やコストも調べるという。ただ、市水道部は「和木浄水場も水源は地下水で、短時間で大量の水を確保するのは難しい」と指摘。他の施設からの輸送も相当の労力と費用が必要とみる。 調査や工事に時間がかかることから、当面、初年度は和木小のプールを使うという。神田小PTAの舛谷敏文会長は「移動が必要だと泳ぐ時間が短くなったり、前の授業を早く終わらせたりするなどの制約が出る」として、早期整備を望む。(和泉恵太) (2012.4.10)
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