育児談議 職場に新風 仕事と家庭 両立考える
父親同士が、育児における父親の役割や仕事と家庭の両立などについて考える「お父さん応援プログラム」が広島県内で広がっている。NPO法人新座子育てネットワーク(埼玉県)が開発。イクメン≠応援しようと、ひろしまこども夢財団(広島市中区)が後押しし、県内企業の研修などに活用されている。 「仕事が忙しく、子どもに接する機会が少ない」「怒ると子どもが近寄らない」。19日にあった自動車関連のサービス業「マツダエース」の研修で、未就学児の子を持つ20〜40歳代の男性ら22人が自己紹介後、家庭の現状を率直に述べ合った。 その後、ファシリテーター(進行役)に導かれながら、育児をサポートする人物や施設、制度などをボードを使って「社会」「地域」「職場」に分類して把握したり、積み木を使いながら仕事と家庭の両立を考えたりした。父親の育児が子どもに与えるメリットや育児が父親にもたらす効用なども学んだ。 「職場の人と育児や家庭のことを話すのは新鮮。両立に悩んでいるのは自分だけじゃないと心強くなった」と5歳の双子がいる中村朋樹さん(38)。同ネットワークの坂本純子代表理事(48)は、「職場内での研修を通じ、『あの人も家に帰れば父親なんだ』という意識が広がれば、育児しやすい環境が生まれる」と話していた。 総務省の2006年の調査では、6歳未満の子どもがいる日本の男性の育児時間は1日33分で米国や英国などの半分程度という。 夢財団は本年度、育児に熱心なイクメンの輪を職場や地域に広げようと、同プログラムを取り入れた。ファシリテーター養成講座を開いたほか、本年度中に、企業や子育て支援センターなど県内11カ所でプログラムを実施する。(余村泰樹) (2010.10.26)
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