あいりちゃん事件受け考案 広島市立大教授、22日から公開 不審者接近を想定
子どもに犯罪からの危機回避を体験してもらうゲームを、広島市立大芸術学部の中嶋健明教授(60)が開発した。2005年11月に広島市安芸区で起きた木下あいりちゃん事件を受けて考案した。22〜28日、安佐南区大塚東の同大芸術資料館で公開する。 ゲームは、不審者に襲われそうになった場面を想定。テレビモニターに映し出された不審者から、「助けて」と大きな声を出しながら走って逃げる方法を体験してもらう。 プレーヤーは、声の大きさを測るマイクを装着し、マット式の足踏みセンサーの上でゲームを体験。約2分間、声の大きさと足踏みするスピードで、危機回避力を判定する。 声が小さければ「もっと声を出しましょう」、足踏みが足りなければ「もっと走りましょう」と評価。クリアできなければ、不審者に捕まってしまう。公開中の会場では鉄道模型とジオラマを用意。列車が止まる神社近くの場面からゲームが始まるよう工夫した。 あいりちゃん事件が起きた当時、中嶋教授も2人の娘が小学校に通っていた。大きなショックを受け、子どもたちに自分の身を守るすべを身につけてもらいたいと、07年から制作してきた。 中嶋教授は「危険が迫った時、とっさに大声を出したり走りだしたりする機敏性を遊びながら養ってほしい」と強調。大学での公開後は学校への貸し出しなどを検討している。芸術資料館Tel082(830)1507。(新本恭子) (2010.10.22)
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