見守りバイク活用不足
登下校時の児童見守り活動のため、広島市教委が市立小84校に1台ずつ配備した小型バイクの利用回数が、目標を下回っていることが25日、分かった。1年間で10回に満たない学校も5校あった。市教委は「教諭が運転に慣れていないから」と説明。計画の甘さから、総額約2600万円をかけたバイクが生かされていない。 ▽年10回未満の学校も バイクは、児童の登下校時に教諭が校区内を見回るのに使うため、2006年10月に導入した。当初は利用目標を長期休暇などを除き「週2回、年間70回」としていた。 しかし、昨年度は平均62回で、週当たり1・8回にとどまっている。目標を下回った学校は全体の約7割の58校。年間で6回、わずか計2時間35分しか使用していない学校もあった。 同じく6回だけだった東区の学校の校長は「乗りこなせる教諭が転勤し利用が減った」。8回だった安佐北区の校長は「車の通行量が増えて使いにくくなった」と明かす。 05年11月の安芸区女児殺害事件後、校長会から「見守り強化へ機動力のある乗り物を」と要望があり、市立小全140校に小型バイク、電動自転車、自転車のいずれかを導入。どれを入れるかは各校が選んだ。 市教委学校安全対策担当の植永勝成課長は「活用できるよう運転に慣れさせたい」と話す。佐伯区で見守り活動をしている自営業益本義信さん(63)は「教諭がバイクで見回る姿は見かけない。思い付きの導入だったのではないか。無駄遣いだ」と指摘している。 (武内宏介) (2009.9.26)
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