地道な声掛け効果か 2011年度に尾道市に寄せられた児童虐待の相談件数は43件で、10年度の81件からほぼ半減した。09年度以降は増加傾向だったが、減少に転じた。市子育て支援課は「民生児童委員などによる地道な声掛けなどの効果が出てきたのではないか」とみている。 43件の内訳は、身体的虐待24件▽心理的虐待10件▽食事を与えないなどのネグレクト7件▽性的虐待2件―だった。被害者の年齢別では、小学生以下が39件を占めた。 同市の虐待相談件数は08年度36件、09年度55件と増え、10年度は過去最多の81件だった。10年度は8月に福山市で起きた女児虐待死事件の影響で、市民の関心が高まり、相談が増えたとみられる。 これを受けて11年度、市や市医師会などでつくる市要保護児童対策地域協議会は児童虐待対応マニュアルを策定。虐待が疑われるサインを挙げたチェック表付き冊子を学校や民生児童委員などに配った。 さらに本年度、これまで兼務だった家庭児童相談員と母子自立支援員の担当者を1人ずつ配置し、対応を強化した。市子育て支援課の有光貢課長は「相談件数が減っても虐待がなくなったわけではない。今後も個々のケースにしっかり対応したい」と話している。(渡辺裕明) (2012.7.7)
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