4月335人、政令市で成果に差 広島市で認可保育園への入園を待つ待機児童は4月1日現在、335人に上り、前年同期に比べ125人増えたことが8日、市のまとめで分かった。保育園の新設などで定員を増やしたものの、景気低迷で働く母親が増えたことが背景にある。他の政令指定都市では大幅に減らした市もあり、待機児童解消の取り組みの成果に差が出ている。 335人は、国が現行基準で集計を始めた2002年度の357人に続き2番目に多い。8区別では安佐南区が184人(前年同期比106人増)と最多。安芸区43人(14人減)西区42人(25人増)中区37人(37人増)などと続く。 市内の認可保育園は181園で、総定員2万3287人。私立11園の新設などで定員は11年度から1053人増えた。だが、入園申込者も増えたため解消につながっていない。保護者が特定の園を希望するために入園できていないケースを含めると、781人が入園待ちの状態だ。 市保育指導課は「近くに保育園ができれば入園を望む母親も増え、需要に追い付かない」と説明する。松井一実市長は公約で「待機児童ゼロ」を掲げる。市は本年度、さらに474人分の定員を増やし、補正予算での追加対策も検討する。 一方、待機児童対策に集中的に取り組む自治体では成果が表れている。集計中の堺市を除く19政令市のうち減少したのは7市で、東日本に集中する。広島市を含め9市が増加した。熊本市は集計基準を改めた結果、前年の1人から118人増になった。3市は前年に続きゼロだった。 81・6%減と大幅に減らした横浜市。施設整備だけでなく、専門相談員「保育コンシェルジュ」を全区に置いて保護者の相談にきめ細かく応じる対策に力を入れた。千葉市も3月下旬、待機児童になる可能性がある約500世帯に連絡。別の園を紹介するなどして64・9%減につなげた。(胡子洋、城戸収) (2012.6.9)
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