「心理的」大幅増、支援制度見直し 2011年度に呉市に通告があった虐待を受けた子どもの数は80人で、市が相談窓口となった2005年度以降で最多だった。前年度のほぼ倍となり、対応が困難なケースも増えた。市は予防のための子育て支援の仕組みづくりを検討する。 08年度に76人まで増えてからは減少に転じていたが、一転大幅増になった。学校や民生委員など関係者が集まる検討会も50回開催。最も回数が多かった08年度の2・1倍だ。 市の分類では、育児放棄(ネグレクト)31人、脅迫や無視など心理的虐待28人、身体的虐待21人。心理的虐待は10年度の6人から大幅に増えた。年齢別では0〜3歳未満32人、小学生21人、3歳〜就学前17人だった。 市は虐待への関心の高まりも増加の要因とするが、「実際、件数も増えている」とみて危機感を強める。「地域との関わりが希薄で保護者が子育て不安やストレスを解消できないケースが多くなっている」と分析する。 3月下旬から4月中旬にかけ、市内の子育てサークル、主任児童委員、子育て支援制度の利用者に、児童虐待の問題に関するアンケートを実施。結果を支援制度の見直しや予防策を講じるための参考にする。 市子育て支援課は「関係機関が集まる機会を増やすなど、きめ細かな対応で予防に努めたい」とする。(柳本真宏) (2012.5.10)
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