有資格者を登録、人手不足カバー 広島県は、保育士の資格を持つ人を登録して人手不足の保育所に紹介する「保育士人材バンク」を7月にも設置する。中国地方5県では初の試みとなる。子育てなどで保育職を離れるなどした人材を活用し、乳幼児の入所待ちを減らしたい考えだ。 県は、保育士資格を持つ県内在住の約2万8千人にアンケートをして、勤務状況などを確認。保育職には就いていないながらも保育所勤務を希望する人をバンクに登録する。 県内に約600ある保育所からは求人情報を寄せてもらい、勤務地や出勤日などの条件が合う人材を紹介していく。面接、採用は双方がバンクを介さず直接やりとりしてもらう。 事務局は県庁に置き、県職員と県保育連盟連合会の相談員の計2人が、バンクの管理や人材の紹介などを担当する。 登録者が求人状況などをチェックできる専用ホームページも開設するほか、保育士経験のない有資格者や、離職して長期間が経過した経験者を対象にした研修会を年6回開く計画でいる。 県内の保育所では、年間に最大で千人の入所待ちが発生している。ただ、保育所側は都市部を中心に慢性的な人手不足で、定員を増やすことができていないという。 県は、保育現場で働いていない有資格者が県内に約1万8千人いると分析。人材バンクをつくることで年間50人が新たに就職し、最大300人の入所待ちが解消できると見込む。 県こども家庭課は「保育所新設などハード面を整備するだけでなく、県内の人材を最大限に活用することで子育てしやすい環境づくりを進めたい」と話している。(野崎建一郎) (2012.4.6)
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