呉市、廃校跡地に集約
呉市が倉橋町にある3保育所を統合、5小中学校を統合して一貫校とし、それぞれ廃校となった広島県立倉橋高跡地に移すことが21日、分かった。0〜15歳が同じ敷地内生活、学習することで幅広い年齢層の交流を実現、子どもの発達段階に応じたきめ細かな目配りも可能になる。一貫校開校は2013年4月、新保育所は14年4月に開所する予定。 倉橋、尾立、倉橋東の3小学校と倉橋西、倉橋東の両中学校を統合し、一体型の小中一貫教育校として開校する。今年4月現在の合計児童、生徒数はそれぞれ144人、102人。3保育所は室尾、相愛、須川で、園児は計69人。保育所から中学校までを1カ所に集約するのは同市では初めて。 倉橋高は生徒数の減少で06年3月、分校時代も含めて54年の歴史に幕を閉じた。市は本年度中に土地と建物を県から取得するため、関連費用を盛り込んだ補正予算案を12月開会予定の市議会定例会に提案する。 新保育所は倉橋高の敷地内にある農園部分に建設。12年度中に用地造成や園舎などの設計をし、13年度に工事着手する。既に地元説明会を開いており、保護者の要望を踏まえて送迎バスの運行や周辺道路の拡張工事も検討する。一貫校は倉橋高の校舎を活用する。 教育現場では、就学直後の児童が授業や集団生活に適応できない「小1プロブレム」への対応が課題となっている。厚生労働省は09年度施行の保育所保育指針で「(保・小が)より日常的に接する機会を持つことを望む」とするなど、保・小の連携強化を促している。(加田智之、加茂孝之) (2011.11.22)
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