益田赤十字病院の分娩制限 健診や出産 上限計16回 マイカーでも支給 益田赤十字病院(益田市)の分娩(ぶんべん)制限を受け、島根県吉賀町は21日、町内の妊婦を対象に、健診や出産に伴う通院費用を助成する独自の支援制度を創設する方針を明らかにした。遠方の医療機関への通院を強いられる妊婦への具体的な支援策の公表は、益田圏域(益田市、津和野、吉賀両町)では初となる。(石川昌義) 町の助成案によると、健診と出産に対し、医療機関までのバス(高速バスを含む)とJR普通運賃について計16回を上限に支給する。自家用車で通院した場合でも、公共交通機関の運賃相当額を支払う。 年間予算は約320万円を見込み、9月の町議会定例会に関連議案を提案する。この日の町議会全員協議会で意向を示した。益田赤十字病院が分娩制限を始める8月以降にさかのぼって支給する方針でいる。 町によると、8月以降に出産を予定する町在住の妊婦は12人。浜田市や山口市、周南市、岩国市の医療機関に通っている。宮本泰宏保健福祉課長は「県外での出産を控えた妊婦に安心してもらうため、早期に助成案を示した」としている。 益田赤十字病院は、吉賀町在住の妊婦を山口赤十字病院(山口市)と国立病院機構岩国医療センター(岩国市)に紹介する方針でいる。町は「益田赤十字病院に一度も行かずに直接、県外の医療機関を受診するケースが増えている」(保健福祉課)とみており、広島、山口両県の医療機関への受け入れ要請を続ける。 (2011.6.22)
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