浜田医療センター 「安全管理へ対応」 産科医減の益田から受け入れ増想定
国立病院機構浜田医療センター(浜田市)が、里帰り出産の受け入れ制限の検討を始めた。隣接する益田市の益田赤十字病院で4月以降、産婦人科の常勤医師が3人から1人に減り、益田圏域から妊婦の受け入れが増えると想定した対応となる。 医療センターの産婦人科の常勤医師は3人。浜田市内2カ所の開業医が2005〜07年に、高齢を理由に分娩(ぶんべん)を中止した影響で、05年に215件だった分娩件数は、10年に511件と2・4倍に増えた。このうち里帰り出産は120件を占めた。 これまでに里帰り出産を断ったケースはない。しかし、センターの石黒真吾院長は「益田圏域から妊婦を受け入れるとなると、安全な分娩管理を維持するための対応が必要になる」と指摘。今後、里帰り出産を制限する可能性があることを、同センターのホームページで告知した。 一方、益田赤十字病院は12日、益田市、津和野、吉賀両町の医療担当職員に対し、分娩制限の強化を検討する方針を説明した。具体的な制限手法や分娩件数の見通しについては「検討中」(三島俊行事務部長)としている。 島根県西部では、浜田と益田の2病院に加え、済生会江津総合病院(江津市)、大田市立病院(大田市)、公立邑智病院(邑南町)の計5病院が出産に対応する。うち、益田赤十字病院が08年11月から、里帰り出産の受け入れを中止している。(浜岡学、石川昌義) (2011.5.13)
【関連記事】 |