広島県公立12年度 調査強化で表面化 広島県内の公立小中高校が2012年度に把握したいじめの件数は1313件で、前年度(506件)の2・6倍に上ったことが13日、県教委のまとめで分かった。大津市で中学2年男子が自殺した問題を受けて、各校が校内アンケートの徹底を図るなど早期把握に力を入れ、水面下に潜んでいたいじめが表面化した形だ。 内訳は、小学校616件(11年度比385件増)▽中学校593件(378件増)▽高校101件(45件増)▽特別支援学校3件(1減)。過去最多だった1994年度の1419件に次ぐ水準となった。 いじめの内容(複数回答)は、「ひやかし・悪口」が419件で最も多く、3割を占めた。「遊ぶふりをしてたたく、蹴る」178件、「仲間外れ、集団無視」141件と続いた。 把握後の学校側の対応では、全体の約8割に当たる1041件で問題を「解消済み」とした。「一定に解消し、継続して支援中」が205件、「解消に向けて取り組み中」が31件。他校への転校、退学による問題の解消は36件あった。 児童・生徒千人当たりの認知数は4・7件。前年度は1・8件で、32・9件で都道府県最多の熊本県(私立を含む)と約18倍の開きがあり、県議会からも調査方法の見直しを求める声が出ていた。 このため県教委は12年度、従来は児童・生徒に学校で書かせていたアンケートを自宅で記入させるように変更。悩みを打ち明けやすいように配慮し、保護者向けのアンケートも導入した。下崎邦明教育長は13日の記者会見で「大津市の自殺を受け、これまで以上に意識が高まった。端緒をいち早くつかむため、調査方法は随時改善していく」と述べた。(門脇正樹) (2013.9.14)
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