中国新聞


不登校、5年ぶり増加 中国地方
06年度 小中生、1.9%増


 病気や経済的な理由を除いて学校を三十日以上欠席した「不登校」の小中学生が二〇〇六年度、中国地方五県の合計数で五年ぶりに増加に転じ、前年度比1・9%増の八千六百十八人だったことが九日、文部科学省の学校基本調査(速報)で分かった。(村田拓也)

 五県の不登校の小学生は千八百九十八人で同5・4%増、中学生は六千七百二十人で1・0%増。

 県別では、小学生の不登校は五県すべてで増えた。伸び率は、四年ぶりに増えた島根の13・0%が最も高く、岡山7・7%▽山口7・0%▽鳥取3・2%▽広島1・5%―と続いた。

 全小学生に占める割合は、島根が0・64%と全都道府県で最も高い。五県で最低の山口の0・32%も全国では二十四番目と高水準となっている。

 中学生の不登校は広島、山口、岡山で増加し、島根、鳥取では減少した。五年ぶりに増加した山口は前年度比10・2%増だった。全中学生に占める割合は島根が3・46%と最も高く、全国でも三番目。鳥取を除く四県が全国平均(2・86%)を上回った。

 島根県教委は「対策を講じてきただけにショック。はっきりした原因は分からない」と説明。スクールカウンセラーの全中学校への配置などに加え、五人だった生徒指導専任主事を本年度から十二人に増員し、こまめに学校を回って対応策などを助言している。

 広島県教委は不登校対策として教員を多く配置する実践指定校を本年度、小学校は六十校に倍増。山口県教委も七月、対策推進会議にワーキンググループを新設し、防止策を探るなど各県教委は対応に力を入れている。

 全国では、不登校の小中学生は十二万六千七百六十四人(前年度比3・7%増)。五年ぶりに増加に転じた。中学生は前年度から約三千人増の十万二千九百四十人で、全生徒の2・86%(前年度2・75%)と過去最高の割合になった。不登校の小学生も同約千人増の二万三千八百二十四人となり、全児童の0・33%だった。

 文科省は「いじめ問題などで、無理に学校に行かなくてもいいという考えが広まっているのかもしれない。家庭を中心に、登校を促す働き掛けを続けたい」としている。

(2007.8.10)


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