広島市立小中高、12年度574件 定義変更後で最多 広島市立の小中高校が2012年度に把握したいじめの件数は574件だったことが28日、市教委のまとめで分かった。前年度の2・6倍で、いじめの定義を広げた06年度以降で最多となった。市教委は、いじめの社会問題化やアンケート方法を見直して答えやすくしたことが要因としており、早期発見を深刻化の防止と解消につなげる。 同日の教育委員会議で市教委が報告した。内訳は小学校270件(前年度101件)、中学校291件(同113件)、高校13件(同3件)。いじめの方法(複数回答)は「冷やかしや悪口」が409件とトップで、「遊ぶふりをしてたたく、蹴る」162件、「仲間外れ、集団無視」133件と続いた。「パソコンや携帯電話での中傷」は26件だった。 把握したいじめの75・1%に当たる431件を解消。「一定に解消し、継続支援中」が112件、解消へ「取り組み中」は17件で、「他校への転校、退学など」は14件だった。 市教委によると、文部科学省が被害者の受け止め方を重視するよう、いじめの定義を変更した06年度以降、07年度の273件がこれまでで最多だった。 12年度は、11年10月に大津市で起きた中2男子の自殺をめぐる市教委の対応に批判が集まった。さらに昨年8月には同級生を膝蹴りしてけがをさせたとして安佐南区の市立中学3年男子が逮捕された。これを受け市教委は、いじめに関するアンケートを自宅に持ち帰って記入させるなど子どもの状況をきめ細かく把握する環境づくりを進めたという。 市教委は本年度から全小学校に生徒指導主事を置くなど、いじめ対策を強化する。生徒指導課は「水面下で起きているいじめも早くつかみ、悩む子どもを減らしたい」としている。(新山京子) (2013.8.29)
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