中国新聞


県北の加計高芸北分校、島根全域から受け入れへ
県立高初、生徒を確保


   

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島根県全域が生徒の受け入れ対象となる加計高芸北分校

 生徒を確保し、学校存続につなげようと、島根県境に近い広島県北広島町の加計高芸北分校は来年度、島根県全域から生徒の受け入れを始める。37年前から、隣接する浜田市金城町の生徒を受け入れてきたが、スキーなどの特色ある教育に人気があるため島根県全域に広げる。広島県立高では初の試み。

 「活気を取り戻したい」との住民や同窓会の要望を受け、県教育委員会議が13日決定した。来春の入試から、定員40人の募集対象を広島、島根両県の生徒に変更する。

 芸北分校は1948年に開校。県境を挟んだ浜田市金城町の波佐、小国、長田の3地区にとっては最寄りの高校だったため、75年から3地区の生徒を受け入れてきた。

 過疎化で入学者は年々減り、25年連続で定員割れが続く。現在の在校生は1年21人、2年32人、3年21人の計74人にとどまる。

 一方、学校の近くにスキー場があり、冬場は授業でスキーを学ぶ。スキー部は全国大会の常連。2003〜08年には国体などで入賞した。金城町の3地区以外の島根県内からも入学を希望する声が毎年5件程度寄せられていた。

 広島県立の高校は06年度、学区制を廃止。県内全域から入学できるようになり、10人が学校周辺で下宿して通学する。細川洋分校長は「(下宿など)地元の受け入れ態勢には余力がある。島根から入学者が増えれば地元出身の生徒も刺激も受け活気が出る」と喜ぶ。

 中国地方では島根県立の全高校が03年度から4人を上限に全国から受け入れている。そのうち離島や中山間地域の8校は本年度から上限を撤廃した。(門戸隆彦、畑山尚史)

(2012.7.14)


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