福山市内の小学校 新入生の保護者に訴え
新1年生の入学を前に、福山市内の小学校とPTAは児童の自転車用ヘルメット着用の呼び掛けを強めている。所持率100%の学校がある一方、伸び悩みに頭を悩ませている学校も目立つ。 同市神辺町の御野(みの)小が4日開いた入学説明会には、保護者49人が参加した。小畠八重校長(54)は「ヘルメットなしで自転車に乗ってはいけません」と説明した。 同小と同小PTAは2008年6月の道交法改正で、幼児と児童のヘルメット着用が保護者の努力義務になったのを機に着用を義務化した。現在、全児童323人の所持率は100%という。 当時のPTA会長桃田竜司さん(39)=同町=は「お金が掛かる、他の学校は義務化していないなど、反対の声が多かった」と振り返る。しかし09年6月、6年女子の自転車が乗用車にはねられた。児童はヘルメットのおかげで命拾いしたのを機に、着用が一気に広まったという。 児童の母(34)は「お金が掛かるので義務化には消極的だった。医師に『ヘルメットがなければ即死だった』と言われ、大切さを実感した」と話していた。 多治米小(同市多治米町)は入学説明会で保護者約80人に着用を呼び掛け、注文書を配布した。しかし、購入したケースは約10例と低迷。山崎武志校長(59)は「義務化は難しい」と現状を語る。 中条小(同市神辺町)のPTAは昨年9月、販売業者を紹介するチラシを配った。田坂周平会長(51)は「必要性は理解されているが、購入につながりにくい」と話す。 市教委によると、10年4月から11年1月末の児童の交通事故件数は82件。うち59件は自転車事故で、約7割を占めた。09年度の26件の約2・7倍に上る。市も各校の入学説明会で交通安全教室を開き、着用へ向けた理解を求めている。(久保友美恵) (2011.2.18)
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