中国新聞


三原赤十字が分娩中止
産婦人科医師引き揚げ 1人確保で科は存続


   

photo
分娩中止が決まった三原赤十字病院の産婦人科診察室

 三原市の三原赤十字病院が16日から産婦人科の分娩(ぶんべん)を中止することが12日、同病院への取材で分かった。10月末に常勤医師2人が派遣元の鳥取大医学部(米子市)に引き揚げられるため医師確保に努めてきたが、1人しか手当てできなかったのが理由。産婦人科は存続するが当面、妊婦健診などの診療業務に限る。

 同科の常勤医師3人のうち、1人が3月末に退職。医師の補充を鳥取大と交渉する中で医師2人の人事異動を伝えられた。

 同病院は6月から本格的に岡山大や広島大に対して医師の派遣を要請。しかし、いずれもうまくいかなかった。尾道市の公立病院を8月末に退職した60歳代の男性医師が10月1日から勤務することが決まったが、ハイリスク分娩などに必要な3人以上を確保できなかった。これらを受け、病院は分娩中止を決断した。「基幹病院として断腸の思い。ハイリスク分娩が再開できるよう、医師確保の努力を続ける」としている。

 三原市内で年間約千件ある出産のうち、同病院は300件程度を担ってきた。分娩中止で、市内の他の4施設や、尾三保健医療圏域の周産期母子医療センターに認定されている尾道市のJA尾道総合病院などへの負担増が懸念されている。(鴻池尚)

(2013.9.13)


【関連記事】
分娩受け入れ制限解除 6年半ぶり里帰り出産再開 廿日市のJA広島総合病院 (2013.8.29)
「里帰り出産」4月から再開 国立浜田医療センター (2012.2.3)
里帰り出産、早期再開へ 国立浜田医療センター (2011.12.6)
里帰り出産制限検討 浜田医療センター「安全管理へ対応」 (2011.5.13)
分娩受け入れ枠100件増 JA広島総合病院 (2010.3.31)
常勤産科医1人増 大田市立病院近く3人態勢 (2009.9.11)
分娩制限を解除 大田市立病院産婦人科(2009.2.21)
分娩扱い月20件に制限 産科医師減の大田市立病院(2008.6.22)
月間分娩扱い数制限 大田市立病院(2008.4.22)
産科医師、大田圏域1人の恐れ 市、出産受け入れ制限検討 (2008.3.7)



子育てのページTOPへ