「待機児童解消に効果」 出産や子育てなどで離職した保育士の再就職を促そうと、広島県が昨年7月に設けた「保育士人材バンク」の仲介で、この1年間に78人の保育士が再就職を決めたことが24日、県のまとめで分かった。県は待機児童の解消に効果があったとみて、バンクへの登録を呼び掛けている。 バンクは、県働く女性応援プロジェクト・チームが事務局となって運営する。保育士の資格を持つ人が希望する勤務条件などを登録。保育所は求人情報を出し、バンクが登録者に条件が合う保育所を紹介している。 昨年7月19日の開所からの1年間で、保育士資格を持つ計377人が登録し、延べ254保育所が計508人を求人。バンクは102人に保育所を紹介し、76・5%の78人の就職が決まった。このうち昨年度は65人で、目標の50人を上回った。 就職先は15市町の保育所。正規採用が19人、短時間などの臨時採用が59人だった。市町別で、広島市の28人が最も多く、福山市12人▽呉市6人▽府中町6人▽東広島市、庄原市各4人―と続いた。 採用が決まった人へのアンケートでは「バンクが保育所と何度も話をして、思ったよりも早く決まった」「諦めていた保育士の仕事に就くことができた」などの声が寄せられたという。 5月に1人を採用した府中町のピッコロゴード保育園の高田美紀園長は「バンクに相談して約1カ月で採用でき助かった」と喜ぶ。 県内の待機児童は4月1日現在、372人で昨年同期に比べ37人増加した。増加幅は昨年の122人の3分の1以下に縮小した。県働く女性応援プロジェクト・チームは「保育士の登録がさらに増えるようバンクをPRし、女性が働きやすい環境を整えたい」としている。(衣川圭) (2013.7.25)
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