市教委安全調査「歩道ない」最多
広島市教委は、市立小学校の通学路で横断歩道や信号の設置などの安全対策が必要な危険な場所が全体の4割の58校に計158カ所あるとの調査結果をまとめた。予算などの制約から全ての対策を早急に講じるのは困難で、市教委は「一定の時間が必要」との認識を示す。 市立小と小学部がある市立広島特別支援学校(南区)の計142校が学区内の状況を調べた。115校が「通学路に危険な場所がある」と回答し、計408カ所を挙げた。 うち58校が計158カ所を「安全対策が必要」とした。最も多かったのは「歩道がない」の28カ所。横断歩道やガードレールがない25カ所▽見通しが悪い11カ所▽信号機がない11カ所―と続いた。 安佐北区の亀山小は、学校沿いの国道191号の狭い歩道やガードレールが老朽化した場所の計8カ所で安全対策が必要と報告。仲野睦子校長は「交通量が多く、登下校時はいつも心配」と話す。 一方、危険な場所とされた残り250カ所は、通学路の変更などで対応する。 京都府亀岡市などで登校中の児童が巻き込まれる死亡事故が相次いだことを受け、文部科学省が5月末、全国の教委などに調査を要請していた。 広島市教委は58校が11月末をめどにまとめる対策案を基に、国や広島県、県警など関係機関と協議して改善を進める。だが信号や横断歩道の設置は多額の費用が掛かる上、県公安委員会の許可が必要。車の通行量や歩行者の横断状況などを考え合わせた上で判断される。市教委は「できる対策から順次進める」としている。(山本乃輔) (2012.9.26)
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