情報交換や事業を効率化 広島県と広島市は、双方が設置する児童相談所の連携を強めるため担当局長をトップとする合同会議を10日発足させる。児童虐待の情報を交換したり、重複する広報、研修事業を効率化したりする。県と市が進める二重行政の見直しの一環。 相談や保護を担う児童相談所は、市が東区に置き市内を管轄。同市以外の22市町を担当する県は児童相談所の機能を持つ「こども家庭センター」を南区と福山市、三次市の3カ所に設置している。 県と市は管轄区域ですみ分けを図る半面、職員の研修や虐待防止、相談窓口の利用を呼び掛ける広報活動、講演会などの啓発事業で効率化できる余地があると判断。児童虐待の情報や対応事例の共有を進めるため、合同会議の設置を決めた。 合同会議は県側が佐々木昌弘健康福祉局長や各こども家庭センターの所長、市側が藤田典子こども未来局長や児童相談所長たち計十数人で構成。年2、3回、定期的な会合を開く方針でいる。県こども家庭課は「これまで組織としての情報共有はしてこなかった。事例や課題を共有し、より良い対応につなげたい」としている。 湯崎英彦知事と松井一実市長は1月、二重行政の解消を進めることで合意。県が市に児童相談所の業務の連携強化を提案していた。(門戸隆彦)
(2012.7.5)
|