「中1ギャップ」の解消図る 福山市教委は2012年度から、市立の全小中学校で9年間の一貫カリキュラムを作ることが6日分かった。中学進学時の環境変化になじめない「中1ギャップ」が原因とみられる不登校や問題行動の解消、学力アップを目指す。 対象は、中学校35校と小学校78校。9年間を前・中・後期の3段階に区分けする。うち小5〜中1の3年間は中期とし、従来は中学校からだった教科担任制の一部導入を小学校でも検討するとみられる。中学校区ごとに教科指導や行事、生徒指導方法などの特色づくりも進める。 市教委は「中1ギャップ」の解消に向け、これまでも生活のルールづくりなどで小中連携に力を入れてきた。教育課程にも広げることで、より効果的な取り組みを進める。 市教委がまとめた10年度の小中学生の暴力行為は、201件に上る。児童・生徒間が最も多い107件で、教師への暴力が51件と続いた。 小学5年生の算数・国語と、中学2年生の数学・国語・英語を対象にした県の基礎・基本定着状況調査では、11年度の正答率が69・4〜75・7%。県平均を上回ったのは中学生の国語だけだった。 市教委は、一貫教育の基本方針づくりに向けて、有識者による検討組織も設ける考えでいる。(武内宏介)
(2012.2.7)
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