東広島市、5校の受水槽改造へ 東広島市は、水道水を貯水する小中学校の受水槽を断水時の給水設備として活用する。災害時の避難所に指定している5校の設備を3月までに改造して応急給水の拠点とし、新年度以降も順次広げていく。広島県の市町では初の取り組み。 対象は中黒瀬(黒瀬町)久芳(福富町)豊栄(豊栄町)三津(安芸津町)の4小と河内中(河内町)。8〜25立方メートルの受水槽の一部を改造、複数の給水栓を備えた管を連結できるようにする。水量が減れば給水車などで補充する。市は本年度当初予算に約190万円を計上していた。 現在、緊急時の市の給水手段は3・7トンの水を積める給水車1台と、トラックに据える0・3〜1・5トン用のタンク38基だけ。車両だけでは給水の量や範囲に限界があり、避難所となる小中学校の受水槽を低コストで改造し、応急の給水所にする。 東日本大震災が起きて以来、災害時の住民の生活を支える体制の強化が各自治体の課題となっている。市内には受水槽の改造が見込める小中学校が29校ある。市総務部は「緊急時に多くの市民に効率よく給水できるよう拠点整備を急ぎたい」としている。 県内では断水時の給水に車両を使う自治体がほとんど。広島市は緊急用の貯水槽を小中学校など36施設に設けている。(境信重) (2012.1.14)
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