国の補助は終了も井原市が継続 2012年度、新たに不育症対策 井原市は9日、本年度末で国の補助が終了する予定の子宮頸(けい)がんなど3種類のワクチン接種無料化や妊婦一般健診の助成拡充について、事業の継続を明らかにした。市議会一般質問で滝本豊文市長が述べた。来年度から不育症治療費の助成を始める方針も示した。 3ワクチン接種や妊婦健診について、滝本市長は「国からはいまだに事業がどうなるのか示されていないが、本市は継続実施する」と説明した。市は6月に出産保育や子どもの医療費助成などに使う次世代育成基金(3億円)を新設しており、「子育て支援施策を着実に進める」とした。 子宮頸がん、小児用肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)の3ワクチン接種の無料化は1月に始まり、10月末までに延べ4132件の利用があった。費用は国と市が折半。2010年度(1〜3月)実績で国の補助分は約1050万円だった。 妊婦一般健診の助成拡充は09年度から実施。公費負担を従来の5回から全14回に増やした。10年度は延べ4492件で約2220万円助成。うち国による拡充分(6〜14回目)の補助は約500万円だった。 来年度からは妊娠しても流産や死産を繰り返す「不育症」の助成も始める。医療保険が適用されず、全額自己負担となる一部の検査や治療の費用が対象。市は「まだ額は決めていない」とし、数人程度が対象とみている。 岡山県健康推進課などによると現在、県内では10年4月に全国初導入した真庭市や、笠岡市、総社市など4市1町が実施。助成額は笠岡市が1回15万円までで6回まで。ほかは年間30万円(一部回数制限などあり)という。(佐藤正明) (2011.12.10)
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