中国新聞


子宮頸がん 子どもの細菌性髄膜炎2種
3ワクチン接種無料化
周南・柳井市 補正予算案に事業費


 周南市と柳井市は30日、子宮頸(けい)がんや子どもの細菌性髄膜炎の原因となるウイルスの感染を防ぐ計3種類のワクチン接種を無料化する事業費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案をそれぞれ発表した。国の補正予算成立を受けた措置。山口県によると、全19市町が無料化の意向という。

 11月下旬に成立した国の補正予算は3ワクチンの接種費を国と市町村で折半して無料化するための事業費を盛り込んだ。県は国からの事業費の受け皿になる基金をつくる条例改正案を開会中の県議会定例会に提案。14億3千万円を補正予算案に盛り込んだ。

 周南、柳井の両市は来年1月からの無料化方針を決定。周南市は接種対象を細菌性髄膜炎予防の2種類のワクチンで4歳以下の男女約5900人、子宮頸がん予防のワクチンで中学生女子約1800人と想定。年度内の接種費約4500万円を予算化する。

 柳井市は約900万円を計上。「医療機関と調整し、1月中の早い時期に始めたい」(健康増進課)とし、接種可能な医療機関を広報誌やホームページで紹介する方針だ。

 各ワクチンは複数回の接種が必要となるケースがあり、その場合の接種費総額は1人各3万〜6万円。予防接種法に基づく定期接種ではなく国の財源措置に応じて無料化するか否かは各自治体が判断する。

 県健康増進課は「国が補助単価などの詳細を示しておらず、市町によって予算化や無料化の開始時期は異なりそう」とみる。岩国市は接種費の負担方針を示しつつ「市の助成割合や対象年齢、開始時期も含めて検討中」とし、4月からヒブワクチンの半額補助をしている宇部市も「予算化は検討段階」としている。(山瀬隆弘、久保田剛)

(2010.12.1)

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