広島県内1〜5月の逮捕・補導74人 10年同期比2.3倍 県警、支援員増員へ 校内暴力により逮捕や補導される中学生が広島県内で急増している。今年は5月末現在で74人。昨年同期比の2・3倍に上り、前年比1・6倍に増えた昨年を大幅に上回るペースだ。原因では「教諭に対する暴力」が3倍近くになった。県警は県警OBたちが学校に出向いて教諭や生徒に助言するスクールサポーターを増員して対応する方針だ。 県警によると、5月末現在、校内暴力で逮捕、補導、任意送致の摘発をした中学生は74人。昨年同期は32人だった。 内訳は教諭への暴力が最多で47人。広島市安佐北区の中学校では3月末、当時中学3年男子(15)が、男性教諭(31)に態度を注意されたことに立腹し、椅子を投げつけたり腹を蹴ったりして4日間のけがをさせ、傷害の疑いで逮捕されている。 この傾向を受けて県警は、小中高校に派遣するスクールサポーターを4人から6人に増員する。主に県警OBが担当。学校から要請があると、週1回のペースで1年間、校内を巡回して生徒を指導したり、教諭に子どもの問題行動への対応策を助言したりする。本年度は既に過去最高の16校に派遣している。 県教委指導3課は「特定の子どもが問題行動を繰り返すケースが目立つ」と分析。「深刻化する前に非行の芽を摘みたい。小学生時代から学校と地域、家庭が連携して子どもを見守る体制づくりなどに取り組む」と話している。(新本恭子) (2011.6.29)
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