市こども未来局の磯辺局長に聞く
広島市は本年度中の制定を目指していた子ども条例案を15日開会の市議会定例会に提案することを断念した。担当する市こども未来局の磯辺省三局長に断念の経緯や今後の見通しを聞いた。 ―秋葉忠利市長は成立に意欲を示していました。断念の理由は。 市議会の賛同が十分に得られていない。過去の定例会で提案を見送ったのと状況が変わらない。成立が見込めないと出せない。 主な反対意見には「子どもが過度な権利意識を持ち、しつけができなくなる」「特定の政治思想によるもの」などがあるが、そうではない。正しく理解されていない。条例の意義を丁寧に説明して理解を得たい。 ―意義をあらためて教えてください。 条例は、市が子どもたちのためになる施策を積極展開する際の根拠になる。市長が代わったり、担当職員が異動になったりしても、担当部局は安定して事業に取り組みやすくなる。市行政はもちろん、市民全体で子どもを大切に育てようとの意識が高まる。 ―広島県教委も市が作製した啓発パンフレットを県立校に配ることを拒否しました。また市長退任で構想自体が立ち消えになるのでは。 県立校に通う生徒や保護者にパンフレットを読んでもらうチャンスを失い残念だ。県教委にはあらためて配布を要請したい。 条例は広島の未来を担う子どもを支援するうえで非常に重要だ。市長が代わっても、事務方としては引き続き条例制定へ努力する。要望があれば説明にも出向きたい。(野田華奈子) (2011.2.15)
【関連記事】 |