昨年4〜12月 広島35%増 山口46%増 現場負担軽減に一役 医師や看護師による小児救急電話相談「#8000」の利用が着実に伸びている。広島県の2009年4〜12月の相談件数は、前年同期比の35・6%増を記録。山口、岡山、島根の3県も増加傾向を示している。広島から全国へ普及した仕組みが、小児救急の現場の負担軽減に役立っている。 中国地方5県の件数は、広島5008件▽山口2886件(前年同期比46・6%増)▽岡山5571件(同98・3%増)▽島根1512件(同49・9%増)。昨年2月に始めた鳥取は1124件に上った。 広島県は運営を県医師会に委託。土・日曜日、祝日は小児科医が携帯電話で、平日は看護師が病院の一角など県内3カ所に設けた部屋で午後7〜10時に受け付ける。県小児科医会の桑原正彦会長は「専門家の診断で、保護者の不安は和らぐ。09年は新型インフルエンザによる増加分もあったが、市町の広報や口コミで利用が年々増えている」とみる。 相談内容は、発熱▽嘔吐(おうと)▽けが―が全体の52%を占める。医師や看護師が119番や、すぐ受診するよう促したケースは15%。県医療政策課は「不急の受診を減らし、夜間救急現場の負担を軽減している」と説明する。 回線増設と相談時間の延長への要望は強い。ひろしまこども夢財団(広島市中区)が昨年実施した携帯電話メール会員へのアンケートでは、回答者498人のうち、約4割が電話が込み合い相談をあきらめていた。約7割が深夜時間帯までの時間延長を望んだ。桑原会長は「全国センターを設け、各県が開設していない時間帯に対応するなど工夫が必要だ」と指摘している。(衣川圭)
(2010.2.19)
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