夜間・休日患者 2割減 ピーク時比 軽症来院自粛の傾向 広島県内の小児救急医療拠点病院3施設を夜間や休日に利用する患者が減っている。2008年度の患者数はピーク時より約2割減った。病院側は、保護者の仕事の都合で夜間に来院する「コンビニ受診」の自粛などが理由とみている。 舟入病院(広島市中区)の時間外患者数は04年度が5万2257人でピークだった。07年度に5万人台を割り、減少傾向が顕著に。08年度は4万1603人で、04年度より20・4%減った。兵藤純夫副院長は「相次ぐ小児科の閉鎖などで医師不足を知った保護者が、軽症での来院を控えてくれた結果ではないか」とみる。 同じく拠点病院のJA尾道総合病院(尾道市)は08年度が8268人と、ピークの06年度を20・3%下回った。三次中央病院(三次市)は6571人で05年度から26・1%減った。 三次中央病院の小野厚・小児科医長は「当初はコンビニ感覚で来る人もいたが、市の広報などで啓発を続けた効果が出た」とみる。 舟入病院は08年度も一晩当たり81・1人が受診。医師3、4人が交代で診療するが、勤務時間を大幅に超えるケースも目立つという。兵藤副院長は「患者数は減ったが、態勢が苦しい状態はまだ改善されていない」と説明する。 広島市の育児支援グループ「子育ておたがいさま〜ズ」の金子留里代表(48)は「核家族や共働きが増えて、時間外診療に頼らざるを得ない保護者も多い。患者に時間外診療の自粛を呼び掛けるばかりでなく、診療時間の延長なども考えてほしい」と求めている。(衣川圭) (2009.7.16)
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