東広島市豊栄 若年層流出 初の1けた 東広島市豊栄町で今年の新生児数が8人(7日現在)にとどまっている。市によると、年内は新たな出産予定はなく、町域の大枠が固まった1949年以降では初めて10人に達しない見通し。若い世代が仕事を求めて都市部に流出したことなどが原因という。 町は農業が基幹産業で人口は約4千人。60年前に比べて約4割に落ち込んだ。市によると、過去10年の新生児数は99年の32人をピークに減少傾向で、今年は11月10日を最後に出生届がない。 少子化の背景について、地元の安宿(あすか)地区の福島英男区長会長(61)は「就職で若者が都市に流れた。農家の後継者不足は深刻で、空き家も増えている」と指摘。町内人口に占める20〜40歳代の割合は16・0%で、市内9町の平均より9・6ポイント低い。 影響が出始めているのは教育環境。町内唯一の託児施設の豊栄保育所の園児は58人で、ピークだった約20年前の約3割。地元の賀茂北高の存続への懸念も年々強まっている。 高齢化率は39・9%で市内9町で最も高い。住民はこれまで過疎や高齢化の対応策を中心に対策を話し合ってきた。福島区長会長は「このままでは集落が崩壊してしまう。空き家に若者を呼び込むなどのアイデアを、行政と連携して取り組みたい」と話している。(山田祐) (2009.12.8)
【関連記事】 |