中国新聞


学童保育 夏休みに過密化
臨時入会 昨年比2割増1064人
広島市内


 ▽経済情勢悪化 共働き家庭増える

 夏休み期間中に広島市の「留守家庭子ども会」へ臨時入会した児童は、昨年より2割多い1064人に上ったことが分かった。指導員労働組合がまとめた。経済情勢の悪化に伴い、共働きの家庭が増えたことが一因とみられる。

 市内の全152施設の入会者は5月1日現在で6423人だった。今年の夏休みの臨時入会者は、昨年の860人を204人も上回った。市は子ども会の定員を「おおむね40人」としているが、登録児童が90人近くになった施設もあった。

 過密化に伴い、保護者と指導員でつくる「市学童保育連絡協議会」には、「指導員の目が行き届くか心配」「部屋が狭く、トラブルが起きやすい」などの苦情も届いた。

 同協議会によると、臨時入会は一昨年から増加傾向が著しいという。「子どもが学校に通う時間帯だけ働く親も増えた。夏休みといって仕事を休むこともできず、子どもを預けるのでは」とみる。

 市放課後対策課は職員の加配や別室の転用で対応したが、「予想外の急増で、十分な対処ができなかった施設もある」と認める。

 同協議会は近く、夏休み中の利用実態をまとめ、市に伝える。横山賢治会長は「極端に児童が多い場合、休み中だけでも場所と人を手当てし、2施設に分けてほしい」と訴えている。(田中美千子)


クリック 広島市の留守家庭子ども会 市が設置、運営する。児童館や学校の空き教室を使い、子どもを放課後と長期休暇中に預かる。対象は共働き、一人親家庭の小学1〜3年。無料。定員の目安である40人に職員2人を充てる。共働き家庭の増加や子どもを狙った犯罪の影響で、登録者は増加傾向にある。

(2009.9.11)

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