6割が経済支援要望 所得格差 拡大背景か 小学生以下の子どもがいる広島市内の家庭の約6割が、国や市に経済的支援の充実を求めていることが18日、市の調査で分かった。市は、非正規雇用や一人親家庭の増加による所得格差の広がりが背景にあると分析。新児童育成計画に初めて「子どもの貧困対策」を盛り込む方向で検討している。 市は1月、0歳から小学6年の子どもがいる13万6千世帯から年齢バランスに配慮して1万1582世帯を抽出。2月末までに4876世帯からアンケートの回答を得た。 「行政への期待」(複数回答)では、教育費や医療費の「経済的支援の充実」が62・2%で最も多かった。「安心安全な環境づくり」(51・3%)「子育てしやすい街づくり」(32・8%)―と続いた。 就学前の子どもを持つ母親の47・2%は出産前後に離職し、うち40・1%は「職場・保育の制度や家族の理解があれば継続して働いていた」と答えた。 市は新児童育成計画(5カ年)が本年度で終わるため、次期計画づくりに着手。今回の結果を踏まえ、「子どもの貧困」の著作もある国立社会保障・人口問題研究所(東京)国際関係部の阿部彩・第2室長にアドバイザー役を依頼した。市こども未来企画課は「保育料減免制度の改善や、乳幼児世帯の経済的負担の軽減策などを検討し、子育て世帯のセーフティーネット(安全網)の充実を図る」としている。(水川恭輔) (2009.6.19)
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