広島県内07年度 国の目標初めて超す 広島県内の企業に勤務する女性で出産した人のうち、育児休業を取得した割合が二〇〇七年度は87・2%に達し、国が目標とする80%を初めて超えたことが、県の調査で分かった。〇五年度の前回調査比で14・0ポイント増。男性の取得率は収入減への不安などから、0・6%(前回比0・5ポイント増)にとどまった。 県が昨年六月、県内から抽出した二千五百社の男女従業員とパート計七千五百人にアンケート。約三割から回答を得た。 昨年三月末までの一年間に出産した女性従業員のうち、育児休業を取得した割合は、従業員数百人以上三百人未満の企業で最も高く96・4%、三百人以上では90・1%だった。四つの階層に分けて聞いた百人未満の企業では、規模が一番小さい十人未満が40・0%と最も低かった。 〇五年度との比較では、三百人以上の企業で取得率がやや減少した一方で、三百人未満はすべての規模の企業で上昇した。出産を機に退職した女性のデータは把握していない。 男性従業員のうち、育児休業を「利用しようと思わない」と回答したのは57・6%で、「利用したい」の37・6%を上回った。理由は「休業中の収入が減少する」が36・9%で最も多く、妻などが子どもの世話をする▽上司や同僚に気兼ねする▽会社の制度が整備されていない―との回答が続いた。 少子化対策に向けた国の行動指針は、一七年度までに育児休業の取得率を女性で80%、男性で10%に引き上げる目標を掲げる。県労働福祉課は「女性の目標達成は、これまで取得率の低かった中小企業を中心に周知が進んだのが要因。男性の取得率アップを図るため、企業訪問やセミナーで啓発していきたい」としている。(永山啓一) (2009.4.28)
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